米山公啓  脳とからだの健康方程式

今日から変えること

第114回
EBMという戦略

EBM(Evidence-based medicine)
実証に基づく医療というのは、
10年くらい前からやたらに医療の現場で
言われるようになりました。
「それはエビデンスはあるのか?」
というような言い方をします。

つまり統計学的に
きちんと評価をされたものかどうかということです。
医学の50%くらいが実証のないものだと言われています。
しかし、問題は実証があればよくて、
なければみな間違いというわけではないのです。

いまはどの製薬会社も大規模な何万人
という人を使った調査結果を持って、
医者のところに薬の宣伝をしにやってきます。

とくに外資系の医薬品メーカーは、
大規模調査の結果を持ってくることが多いようです。
ところがこの考え方に大きな間違いがあります。
つまりたくさんの人を使って調べたほうが、
それだけ効果があるような錯覚を持ってしまうことです。
むしろ逆のことが言えるのです。
効果があまり出ていないので、
何万人という人で調査をすると、
ようやくその効果に差が出てくるということなのです。

非常に効く薬であれば、
数名がみな治ってしまうなら、
そのほうが実は効く薬なのです。

医者も統計学に弱いので、
製薬会社のそういった戦略に負けてしまいます。
ましてや、患者さんでは、
「これは新薬で大規模な調査でも
有効性が証明されている薬なんですよ」
と言われてしまうと、
それを信じるしかないというわけです。

薬の効果の判定は
なかなか難しいものなのです。
特効薬と言われていても
100人中100人に効く薬はないのです。

患者の視点で考えるなら、
自分が飲んでいる血圧の薬は、
どんな種類で、どんな調査が行われてきたのか、
いまならインターネットで調べることができます。

まずはそこから調べてみるべきでしょう。
医者の言葉を鵜呑みにせず、自ら調べる時代なのです。





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2010年10月18日(月)

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