米山公啓  脳とからだの健康方程式

今日から変えること

第115回
インフルエンザにおける費用対効果

今年もインフルエンザの季節がやってきます。
10月からインフルエンザワクチン接種も始まっています。
今年は新型インフルエンザと
季節性インフルエンザを混ぜて接種するので、
一度の注射ですみます。
昨年の新型インフルエンザ騒動を考えると、
ワクチンの供給もうまくいっているようです。

医療経済学の費用対効果からみたインフルエンザワクチンの接種は、
非常に有効であることがわかっています。
つまり強制的にできるだけ多くの人に接種したほうが、
医療費が少なくてすむのです。
ところが日本ではそれができず、中途半端になっています。
またインフルエンザにかかったときに
投薬される薬として有名なものに、タミフルがありますが、
今年から日本の製薬会社が作った
イナビルという吸入式の薬も使うことができます。
この薬は一回吸うだけでいいので、
他のインフルエンザの治療薬より、
飲み忘れもなく使いやすくなっています。

インフルエンザによって会社を休むことを考えると、
会社にとっての損失も大きいものです。
だから会社などでは集団接種をすべきなのでしょうが、
なかなかそれができていません。
またインフルエンザの治療薬は3000円から4000円かかるので、
これが何万という人になってくれば、
経済的な損失は大きくなります。

なぜか日本ではインフルエンザの予防というと、
手洗いやうがいを重要視しますが、
実際にはこれらの有効性ははっきりしていません。
むしろまずはインフルエンザワクチンの接種を
優先して行うべきことなのです。
また高熱が出て風邪の症状であれば、
インフルエンザの診断検査を受けるまえに、
インフルエンザ治療薬を飲んだほうが、
症状を軽減できる可能性が高くなります。
一部予防的な投薬も認められているので、他の感染症とは違い、
いろいろ打つ手はあるのです。


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2010年10月22日(金)

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