米山公啓  脳とからだの健康方程式

今日から変えること

第116回
コレステロールはどうすればいいのか

いま医学界で問題になっていることが、
コレステロールのことなのです。
いまさらと思いますが、
脂質栄養学会が
「コレステロールが高いと死亡率が低下する」
「総コレステロールが高い方が長生きする」
ということを意見というより、
治療のガイドラインとして発表したからです。

これに対して、日本医学会、日本医師会、
動脈硬化学会は「断じて容認できない」
というコメントを発信しています。

メディアというのは、
従来にないコメントに対して歓迎する傾向があり、
「コレステロールは高いほうがいい」
ということで、
一般の人はますます混乱してしまうことになりました。

総コレステロール値が高いと
心筋梗塞、脳梗塞になりやすいということは、
ここ20年くらいの世界的な疫学調査で
ゆるぎない事実となっています。

それを突然、高いほうがいいということになったのですから、
医学界があわてるのも無理はありません。

従来のコレステロールが高いとリスクになる
という結果を覆すには、
ある意味では世界を相手にすることになります。

以前からそういった意見をする医師もいましたが、
疫学的な事実をきちんと見ていないために、
誤った見方をしているというのが一般論です。

むろん、コレステロールの治療薬は、
製薬会社にとっても非常に大きなマーケットですから、
高いほうがいいということになれば、
治療する意味がなくなるということですから、
大変なことです。

医者の意見には利害関係がからむことも多いですが、
コレステロールに関しては、
単に利害関係だけの問題ではないというのが、
一般的な見方ではないでしょうか。

従来の医学の事実が覆されることは、
いままでも起きていますが、
今回はどうも怪しいようです。


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2010年10月29日(金)

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