米山公啓  脳とからだの健康方程式

今日から変えること

第117回
治せる認知症とは 正常圧水頭症

先日、NHKで治る認知症として
正常圧水頭症の治療のことを番組で解説していました。

正常圧水頭症とは脳の中にある脳室という空間が
普通より大きくなっているのですが、
その圧力は正常で、脳室に管を入れる
髄液短絡術(シャント手術)を行うと
症状が著明に改善する病気です。

原因はまだわかっていません。
症状は認知症と同じような症状である、
もの忘れ、自発性の低下、動作が緩慢などと、
歩行障害、尿失禁が合併してきます。
アルツハイマー病と診断されてしまうことが多い病気です。

MRIなどで脳室が大きくなっていれば、疑う必要があります。
認知症と診断された患者さんの5〜6%が
正常圧水頭症であると考えられています。

70歳代に多く見られます。
アルツハイマー病との症状の違いは、
集中力や意欲、自発性が低下し、
一日中ボッーとしていることが多くなることです。

比較的短時間にこういった症状が現れた場合は
正常圧水頭症が疑われます。
歩行がうまくいかずに、足元がふらつく、
うまく止まれないなども特徴的です。

またトイレが非常に近くなる頻尿、
尿意が我慢できなくなり失禁を起こすこともあります。

確実に診断するには、腰椎穿刺(腰の骨の間から針をさすこと)で
髄液を少し抜いて、症状の改善があるかどうかです。
それによって症状が改善すれば、
手術で改善する可能性があります。

脳室に管を入れることで、歩行障害は9割前後、
認知症と尿失禁が5割前後改善するとされています。

アルツハイマー病と診断を受けると、
なかなか、それ以外の原因を考えることなく診療が行われるので、
初期の診断が非常に重要になってきます。

診断というのは、診る医者が病名を想定していないと
できないものなのです。





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2010年11月5日(金)

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