米山公啓  脳とからだの健康方程式

今日から変えること

第121
傷は消毒しない

医学の真実というのは、
時代によってどんどん変わっていきます。
絶対にこれが正しいというものがないのが、
医学でもあるのです。
最近の治療で大きく変わったのは、傷の治療です。

いままでは、消毒して、
ガーゼを貼ってという処置をしていましたが、
それがかえって傷の治りを
遅くしていることがわかってきたのです。
こういった医学常識の変化は、
たまたまある研究者が見つけることが多いようです。

刃物で切ったような傷は、
まずは消毒せずに流水で洗います。
つまり水道水で洗うのです。
消毒液が組織の細胞まで壊すことがわかってきたので、
むしろ消毒しないほうが治りが早いのです。

いままでは傷口にガーゼを当てるのが
当たり前のように行われてきましたが、
ガーゼを当てることで、傷口が乾燥してしまい、
治りがやはり遅くなるのです。
傷口を乾燥させない、これも新しい考え方なのです。

今では、ガーゼの代わりに、
透明のテープを貼ります。
これによって傷口を密封して、乾燥を防ぎます。

さらに床ずれでも、同じようにガーゼを当てずに、
この透明のテープを貼るほうが、やはり治りが早いのです。

消毒、ガーゼという従来の治療法は、
経験的な要素が多すぎて、科学的な根拠がなかったのです。

ただこういったことは、
わかっていてもなかなか変えていけないのも
医療の現場の特徴です。
熱傷などは、ガーゼ交換が非常に痛みを伴ったのですが、
新しい処置によって、その痛みをかなり軽減できるのです。

最大の問題は、
新しい処置の方法を変われない医者のほうかもしれません。

傷の処置をどうするか眺めていて、
ガーゼを当てているようならまだ、
古い考えの医者と言えるでしょう。





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2010年11月26日(金)

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