米山公啓  脳とからだの健康方程式

今日から変えること

第125
風邪は薬を早く飲めば効く?

風邪はいまだに特効薬がありません。
それだけに民間療法も多いようです。
卵酒とか、ショウガ湯とか、いろいろあります。
しかし、どれも科学的に効果が証明されているわけではありません。
民間療法は経験的なものや、
親が子供を思いやるという意味もあって
行われていることも多いものです。
だから効果があるなしというより、
風邪をひいたときの家族の思いやりというように
理解したほうがいいのではないでしょうか。

風邪薬は、風邪そのものを治すわけではありません。
いろいろなウイルスによって起こる風邪は、
風邪のウイルスそのものに効かなければ効果はありません。
現在のところ風邪のウイルスに効く薬はないのです。
ただインフルエンザウイルスには効く薬があるので、
早く飲めば、悪化することを防げます。

また咳止めや痰を減らす薬などは、効果が期待できますが、
最近問題になっている、咳だけが長引いてしまう場合は、
普通の咳止めでは効果がありません。
咳が長引く場合、咳喘息と言われ、
副腎皮質ホルモンが入った吸入薬を使うほうが治りが早いのです。

また以前は風邪のときに
「一発で治る注射をお願いします」
という患者さんが多かったのですが、
少なくとも風邪に効く注射は存在しません。

風邪を早く治すには、やはり休養が重要なのです。
解熱薬も最近ではできるだけ使わないほうが
治りが早いということになってきました。
とくに子供の場合は、元気で食事を摂れれば、
38度あっても、薬を使わないというのが原則です。

風邪というとすぐに薬に頼ってしまいがちですが、
自分の持っている免疫力や抵抗力で治っていくのですから、
薬を飲みながら無理をするのはよくないわけです。

風邪は万病の元などといいます。
しかし、そういった可能は低いのですが、健康管理という意味では、
風邪をひきにくい環境作りが大切です。





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2010年12月17日(金)

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