米山公啓  脳とからだの健康方程式

今日から変えること

第126回
体温は高いほうがいいか?

体温を上げるとからだにいいという説が信じられていますが、
長生きという視点からは、
むしろ低体温のほうが有利なのです。

ショウジョウバエを温度の低いところに入れておくと、
9倍長生きするという研究もあります。
例えば、2度の体温を低下させると、
72歳の平均寿命が100歳になる計算がなりたちます。
低体温によって、寿命が40%も延びるのです。

アメリカの国立老化研究所の長期縦断研究でも、
体温の低いほうが長生きであると報告しています。

一般に、体温が上がるのは、
細菌感染が起きたときなどです。
風邪でも体温が上がりますが、
これは平均体温が1℃上がると免疫力は約60%活性化する
という機能からきています。
つまり感染が起きているので、
それに打ち勝とうとして体温を上げて、
免疫力をアップさせているわけです。

最近では子供の発熱に対して、
解熱剤を使わないようになってきたのは、
むしろ高体温のほうが
ウイルスなどには有効に作用するからです。

体温が上がると免疫力がアップするから、
普段から体温が高いほうが有利という意味ではありません。
あくまでもそれは感染などが起きた場合のことであり、
長期的には、やはり体温が低いほうが
長生きということになるのです。

だからなんでも体温を上げたほうが、
健康であるということはありません。

人間は状況に応じて、体温を上げたり下げたりして、
対応をしているわけです。
その体温調節機能をむしろ大切にすべき
ということではないでしょうか。

また免疫力を上げるには、
禁煙、よい睡眠、ストレス回避、笑い、適度な運動など、
健康に大切なほとんどの要素が含まれています。

健康のために体温を上げる
ということは大きな間違いでしょう。





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2010年12月20日(月)

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