第10回
中国人気質と株投資
免許を中国のものに切り替えたのを機に、
上海では移動の手段として自動車を使っていますが、
こちらのドライバーの運転マナーは
お世辞にも良いとは言えませんね。
急な車線変更は日常茶飯事で、
わずかでも隙間があれば割り込みは当たり前。
おまけに前がちょっとでも詰まって渋滞すれば、
すぐにクラクションの大合唱です。
こうした運転は非常にリスキーなのですが、
運転している本人にそんな考えは毛頭ありません。
自分はぶつけない(ぶつからない)という根拠のない自信のもと、
一瞬でも止まるのは損だというばかりに、
とにかく前へ前へと進もうとします。
彼らの頭のなかには「待つ」という言葉はないようです。
この行動様式は株式投資においても当てはまります。
中国人のほとんどは多かれ少なかれ株を買っているものですが、
その投資スタンスはほぼ100%短期です。
知り合いなどからのネタ(情報)などをもとに
下手な鉄砲も数撃てば当たるとばかりに、ひたすら売買を繰り返す。
しかし、その成果はどうだったかというと往々にして冴えません。
損をしていなければ良い方で大抵はマイナス。
結局、損を覚悟で売却し清算するか、
“套住”(塩付け)ということになります。
このサイトをご覧になっている皆さんならご存知でしょうが、
中国のような新興市場においては市場の風雪に耐え、
粘り越しで臨んだ人の方が、
結果的にいいパフォーマンスを得られるとこの方が多いのです。
「株投資は儲からない」という中国人の友人などに、
事あるごとにこのように説くのですが、
多くの人は聞く耳を持ってくれません。
「上場企業といったって
中国では会社の代表が贈収賄なんかで逮捕されて、
株価が暴落することなんかしょっちゅう。
せっかく買った株が紙切れ同然なんてことになったらどうするの!」
と反論されてしまいます。
株式市場はあくまでお金を稼ぐ道具に過ぎず、
その本体である企業と経営者は信用しない。
故にいつでも逃げられる体勢をとっておく。
上海、深センなどの本土市場などでは
よく風説やスキャンダルによって
相場が大きく揺れることがありますが、
こうした中国人の投資スタンスが大きく影響しています。
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