中国投資の羅針盤・阿部享士

阿部享士さんがご案内します

第13回
目を見張る中国のEV戦略

中国の自動車振興策は昨今、
世界的な注目を集めているEV(電気自動車)にも及びます。

前出の「自動車産業調整振興計画」では、電気自動車産業の成熟化。
新エネルギー自動車の生産能力を2011年に50万台まで拡大、
新エネルギー自動車の販売量を
乗用車市場全体の5%まで引き上げる、とされています。

また、今年の8月には国有資産監督管理委員会(国資委)の主導で
「電気自動車産業連盟」が設立。
開発プラットホームの構築に向けて
年内に13億元を投じる方針を明らかにしました。

同連盟への参加企業は、
中国第一汽車集団公司、中国兵器装備集団公司、
東風汽車公司(『東風汽車集団』(00489)の親会社)、
中国東方電気集団有限公司(『東方電気』(01072)の親会社)、
中国南車集団公司(『中国南車』(01766)の親会社)、
中国海洋石油総公司(『CNOOC』(00883)の親会社)、
中国航空工業集団公司(『中航科工』(02357)の親会社)、
中国航天科技集団公司(『中国航天国際』(00031)の親会社)、
中国航天科工集団公司、北京有色金属研究総院、
国家電網公司、中国南方電網有限責任公司、
中国普天信息産業集団公司
(『成都普天ケーブル(01202)の親会社、
中国石油天然気集団公司
(『ペトロチャイナ』(00857)の親会社)、
中国石油化工集団公司(『シノペック』(00386)の親会社)、
中国保利集団公司(『保利香港』(00119)の親会社)の16社で、
中国政府は新エネルギー車産業の発展を支援するため、
向こう10年間で1000億元以上を投入する計画を示していますが、
これらの企業はその実行部隊としてEVの開発、
インフラ整備を行っていくとみられます。
また、EV製造に欠かせない原料となる
レアメタル類の確保にしても、
自国に埋蔵するものだけでなく、
政府の支援のもと中国企業が海外資源を買い漁っているのは
ご存じの通りです。

原材料の調達から製品の生産、インフラ整備まで、
政府の強力な推進力が働いている中国。
これに比べて日本はどうかというと、
トヨタが傘下商社を通じて
アルゼンチンの鉱山開発に参加している程度となれば、
彼我の差はいかんともしがたいですね。
もういい加減、駆け引きの材料として
日本も政府のバックアップが必要だと思うのですが、
現状ではまるで期待薄ですね。


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2010年10月4日(月)

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