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         第14回 
          需要回復を受けて元気を取り戻した航空業界(1) 
        邱先生ほどではないにせよ、私もよく飛行機に乗る方ですが、 
          最近の中国の航空会社は元気がありますね。 
          “超格安のチケット価格”で 
          日本でも一躍有名になった春秋航空は連日の満員御礼。 
          国際線もドル箱の日本路線を筆頭に 
          搭乗率やチケット価格がうなぎ登りだといいます。 
        中国の航空業界は香港に上場している 
          『中国国際航空』(00753)、『東方航空』(00670)、 
          『南方航空』(01055)の3社を筆頭に業界再編が加速中ですが、 
          その客運量などは2008年の8月を底に反発し、 
          今年に入っても20%以上の増加率を維持していますが、 
          今後も以下のプラス材料を追い風に需要は拡大。 
          各航空会社の業績に厚みを加えるとみられます。 
        (1)景気回復と収入レベルの向上: 
          中国民用航空局の統計によると、 
          中国の航空会社を利用する旅客の渡航目的は、 
          商用が45%、観光が37%、 
          台湾への親戚訪問など、その他が18%となっていますが、 
          このうち商用需要は国内や海外の景気動向に密接にリンクしており、 
          昨今の景気回復を受けて、渡航客は増加傾向。 
          観光客需要も同様で、 
          経済成長にともなう可処分所得の増加などを受けて、 
          急増してきています。 
          先進国のデータによると、 
          1人当たりのGDPが3000−5000米ドルに達すると、 
          旅行関連の消費額が一気に増加するとされますが、 
          中国のそれは08年に3000米ドルの大台を突破したばかりで、 
          今後も収入レベルの向上を背景に需要増が続くと予想されます。 
        (2)上海万博効果: 
          開幕した5月当初こそ伸び悩んだ 
          上海万博の入場者数は6月に入って大きく増加。 
          1日当たりの平均は43万人近くにのぼり、 
          事前予想の38万人を大きく上回りましたが、 
          7月からのバケーションシーズンを迎え、 
          今後も入場者数は高水準を維持する見通し。 
          上海に本拠を置く『東方航空』を筆頭に、 
          今年下半期における各航空の搭乗者数は 
          平均13%伸びると予想されています。 
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