中国投資の羅針盤・阿部享士

阿部享士さんがご案内します

第18回
中国人は大きくて豪華な車が好き

現在、中国の自動車産業がGDPに占める割合は
4%以上に達していますが、
所得水準の向上などを背景に需要が増加しているため、
今後も穏やかな拡大が予想されています。

中国の1人当たりのGDPは2008年に3000米ドルを超えましたが、
このレベルに達すると
自動車の保有台数が大幅に増加するという
先進国のデータもあります。

中国汽車技術研究センターの発表によると、
2010年度上半期における中国の自動車生産台数と販売台数は
それぞれ847万2200台(前年同期比44.37%増)、
718万5300台(同30.45%増)で、世界第1位をキープ。
前年実績が高いこともあり、
下半期の販売は伸び悩みそうですが、
それでも通年の増加率は20%前後を維持する見通しです。

車種別のメーカー動向ですが、乗用車では、
SUV
(Sport Utility Vehicle スポーツユーティリティビークル)や
MPV(Multi Purpose Vehicle ミニバン)に
強いところが伸びそうです。
中国人の嗜好を反映し、
大きくて豪華な車に人気が集まっているためです。
また、中央政府が普及を推進している1600cc以下の小型車、
ハイブリッド、EV(電気自動車)などの需要も
中長期的に増加するでしょう。

商用車関連では今年の2月以来、
販売台数が4割以上増加している
トラックメーカーが有望視されています。
インフラ建設を中心とした4兆元の経済刺激策や、
石炭、鉄鋼石などの需要増を受けて、
そのニーズが高まっているためです。
急増する需要を受けて、
各自動車メーカーが設備投資を加速していることから、
需給緩和や在庫の増加を懸念する見方も浮上していますが、
現状をみる限り杞憂に終わりそうです。

中国の自動車工業協会の統計によると、
現在の各メーカーの在庫回転率の平均は
0.40−0.55の間で安定して推移。
また、2009−14年における生産能力の増加率は
平均18.9%に達するとされますが、
これに対する需要の伸びは15%以上とされ、
需給バランスは基本的にイーブンに近い状況を維持する見通しです。

香港に上場する自動車銘柄の予想PER(株価収益率)は、
『BYD』(01211)など一部を除いて比較的低い水準にあり、
過熱感はそれほどありません。

参考銘柄:『東風汽車集団』(00489)、『吉利汽車』(00175)


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2010年10月22日(金)

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