中国投資の羅針盤・阿部享士

阿部享士さんがご案内します

第23回
中国のネット市場の拡大余地はまだ膨大

中国のインターネットのユーザー数は
2007−09年にかけて30%以上のペースで増加。
“網民”(ネットユーザー)の数は4億人となり、
普及率は30%に達しましたが、
アメリカ、日本などの先進国と比べればまだ低く、
北京、上海、広東など、
いわゆる1級線都市の普及率が50%に超えているのに対し、
山東省など内陸部のそれは依然30%未満と、
地域により大きな格差があるため、
今後の市場開拓の余地はまだまだ大きいとされます。

また、ユーザーの年齢層が低いのも
中国のインターネット業界の特徴で、
10−39歳が全体の80%を占めるほか、
学生を中心に10歳台のユーザー比率が32%にも達しているため、
音楽、オンラインゲーム、ソーシャルネットワークサービスなど、
娯楽系のコンテンツに人気が集中。
これに付随する広告収入や電子用取引が牽引役となり、
過去5年間における中国のインターネット企業の
売上高の平均伸び率は53%にも達していますが、
今後も以下の諸点から年40%前後の成長が予想されています。

(1)オンラインゲーム:
中国におけるオンラインゲームの市場規模は
2003−09年にかけて平均60%の速度で拡大していますが、
前述のようにユーザーの平均年齢層が比較的低く、
潜在需要が大きいこともあり、
今後も年20%以上の成長が予想されています。
携帯ななどの移動体通信で3Gシステムが導入され、
WAP(モバイル端末向けに開発された
世界業界標準のインターネット接続用のプロトコル)を使った
新ゲームの投入は可能になったことも
業績に厚みを加える要素の一つとなるでしょう。
今年6月に文化部からゲーム運営会社の規定や
一部の表現
(ポルノ、カルト、ギャンブル、暴力など)の制限を盛り込んだ
「オンラインゲームに関する管理暫定法」が公布されたことから、
今後の収益減を懸念する向きもあるようですが、
関連企業の利益率は高く、バランスシートは健全であるため、
影響は当面、限定的なものになりそうです。

(次回に続く)


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2010年11月8日(月)

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