中国投資の羅針盤・阿部享士

阿部享士さんがご案内します

第24回
IT関連は今後も市場の焦点に

(2)広告収入:
2004−09年にかけて中国のインターネット広告収入は
年28%のペースで増加してきましたが、
GDPに占めるその割合は1%未満にとどまっていることから、
今後の成長余地はまだ膨大。
経済状況が回復基調にあることもあり、
『新浪』(SINA)『捜狐』(SOHU)などの
今年第2四半期における広告収入は
それぞれ40%、20%前後増加しています。
また、“cn”“com”などの
ドメインで登録されている中国企業の数は
約1400万社に達するとされていることから、
検索連動型広告
(検索エンジンで一般ユーザーが検索したキーワードに
関連した広告を検索結果画面に表示する)からの収入も今後、
増加すると予想されます。
アメリカなどの先進国では
GDP成長率とネット広告収入の伸び率は、
ほぼ比例する関係にありますが、
中国ではネット広告の伸びがGDPを上回っており、
ユーザー数の増加などから、今後も年間30%前後の成長を保ち、
2012年の市場規模は400億元を超えるとみられています。

(3)B2Bの電子商取引:
中国におけるB2Bの電子商取引額は金融危機の影響などにより、
2009年こそ約6%減少しましたが、
GDPなどに代表される経済の持ち直しなどを受け、
今年は27%前後の増加が予想されています。
中国のB2B電子商取における主な収入源は現在、
登録ユーザーの会費となっていますが、
登録数が増加傾向にあるなか、
今後は付加価値サービスがこの分野の主な収益源となりそうです。
2009−12年にかけて中国のB2B電子商取市場は
平均30%前後の成長が予想されています。
前回で述べた通り、中国のインターネット普及率は依然、低く、
ユーザーも低年齢層が中心なため、今後の市場拡大余地は膨大です。
経済回復にともない、
広告収入も今年から本格的に増加していくでしょう。
『百度』(BIDU)『騰訊控股』(0700)など、
下で紹介する各銘柄の平均PER(株価収益率)は
決して割安ではありませんが、
向こう2年間のEPS(1株当たり利益)伸び率の平均は
32%に達すると予想されるため、
これからも市場の注目を集めそうです。

参考銘柄:『新浪』(SINA)、『百度』(BIDU)、
『騰訊控股』(0700)など。


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2010年11月12日(金)

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当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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