中国投資の羅針盤・阿部享士

阿部享士さんがご案内します

第25回
中国のクリーン発電関連の投資額は今後も拡大

香港に上場する発電設備関連の銘柄は
『ハルビン動力』(01133)と『上海電気』(02727)、
『中国高速伝動』(00658)
及び『東方電気』(01072)などがありますが、
今後の見通しはどうでしょうか?

非効率プラントの閉鎖が加速したこともあり、
2009年における中国の発電機容量は8970万キロワットとなり
前年比で2.5%の減少。
内訳は火力が6076キロワット(同7.3%の減)、
水力が1989万キロワット(同7.4%の減)、
風力が897キロワット(同79.6%の増)となっており、
全体の発電能力は減少傾向にあるものの、
環境問題へ向けた新エネルギーへの需要が
増加していることがうかがえます。

発電構造の改善は今年に入っても加速しており、
上半期において新たに稼働した火力、水力の発電プラントは
それぞれ1270万キロワット、131万2000キロワットで、
前年同期比ベースで+54.6%、−4.7%になったのに対し、
風力のそれは同316.7%増の209万3000キロワットとなっています。

また、2009年における中国の電力設備の投資額は
7558億元に達しましたが、
注意すべきは送電網関連の投資額が
初めて発電関連のそれを上回ったことです。
今年の電力設備投資額は6700億元に達するとされますが、
その内訳は送電網関連が3400億元、
発電関連が3300億元になる見通し。
ここから発電関連の需要増は一旦ピークを迎えたと考察できます。
2010年予想PER(株価収益率)などから計った
『東方電気』『ハルビン動力』『上海電気』『中国高速伝動』
などの株価はそれほど割安感はありません。
銘柄選択の際は風力、原子力など、
新エネルギー関連の売上比率が高いものを
チョイスした方が良いでしょう。
中央政府はすでに二酸化炭素(CO2)排出量を2020年までに、
国内総生産(GDP)比で2005年に比べ
40―45%削減する計画を発表しており、
この目標達成のために
今後もクリーン発電関連の投資額を拡大すると予想されるためです。

(次回に続く)


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2010年11月15日(月)

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当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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