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         第26回 
          発電方式別による設備需要の見通し 
        発電方式別による中国の設備需要の見通しは 
          以下のようになっています。 
        火力・水力発電:今年1−5月の中国の電力消費量は 
          前年同期比22%増の1兆6180億キロワットとなり、 
          景気回復にともなう工業生産の増加などにより、 
          その稼働時間は拡大していく見通しです。 
          ただ、地球温暖化の原因となるCO2の排出問題などもあり、 
          中長期的に関連の設備投資が大きく伸びる可能性は少ないようです。 
          水資源を利用するクリーンな水力発電は 
          今後の発展余地は大きいとされますが、建設費が高いことや、 
          天候によって発電量が大きく左右されることが欠点とされます。 
        風力・太陽光発電:前回で述べた通り、 
          2020年までにGDP単位当たりのCO2排出量を 
          40−45%削減することを掲げた中国政府が、 
          その目標達成のために現在、最もテコ入れしているのがこの分野。 
          自然の力を利用するため、 
          建設場所が限られるなどの弱点もあるものの、 
          有害な排出物を出さないクリーンエネルギーとして、 
          今後の需要は大きいとされます。 
          中国電力企業聯合会(中電聯)の予測によると、 
          今年新たに建設される風力、太陽光の発電プラントは 
          1300万キロワット、20万キロワットで、 
          前年比ベースでそれぞれ44.39%増、969.52%増となるとされます。 
        原子力発電:中央政府が策定した 
          「新能源産業振興発展規画(草案)」 
          (新エネルギー産業の振興発展計画の草案)によると、 
          2020年までに1兆元を投入し、 
          8600万キロワットまで発電機容量を拡大するとされており、 
          今後5年間でまず9−10カ所の新プラントが建設される見通しです。 
          原子力の発電コストは火力の15−20%とされるため、 
          石炭価格が上昇傾向にある昨今、 
          そのエネルギー効率の高さが注目を集めそうです。 
        関連銘柄:『東方電気』(01072)、『ハルビン動力』(01133)、 
          『中国高速伝動』(00658)、『上海電気』(02727)など。 
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