中国投資の羅針盤・阿部享士

阿部享士さんがご案内します

第32回
鉄鋼銘柄をチョイスする際の注意点

今年6月末時点における
中国の大型鉄鋼メーカー77社の鋼材在庫量は
前年同期比39.27%増の1030万トン。
また、上半年における輸入鉄鋼石の平均価格は
前年同期比46.4%高の111.5米ドル。
6月のそれは同105%高の139.85米ドルにも達しています。

中国の鉄鋼メーカーの現在の鉄鋼石自給率は40%前後で、
2012年には55%まで改善されるとの予測もありますが、
依然、高水準にあるのは事実。
『ヴァーレ』『リオ・ティント』『BHPビリトン』などが
価格の安定に努めていること、
などから今後も鉄鉱石の価格は強含みで推移するとみられています。

このセクターの銘柄を選択をする際は
冷間圧延鋼板など、ハイエンド製品の
生産比率が高いところに着目するようにしてください。
先に述べたようにこれらの製品は需要増を受けて、
販売価格の上昇が望めるほか、他の製品に比べて粗利益が厚い分、
鉄鋼石など原材料コストの増大に対して
ディフェンシブ性が高いからです。

ほかではラジアルタイヤの補強材として使われる
スチールコードを生産している『首長宝佳』(00103)、
鉄鋼石貿易を手掛ける『宝威』(00024)なども、
需要増や価格の上昇の恩恵を受ける立場にいますので、
面白い存在といえます。

参考銘柄:『馬鞍山鉄鋼』(00323)、『鞍鋼スチール』(00347)、
『重慶鋼鉄』(01053)、『首長宝佳』(00103)、
『宝威』(00024)など。


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2010年12月10日(金)

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当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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