中国投資の羅針盤・阿部享士

阿部享士さんがご案内します

第35回
消費関連銘柄の選び方

金融危機の影響も癒え、中国経済はふたたび前進を開始。
今年1-9月のGDP成長率は10.6%となり、
これにリンクされるかたちで
全国社会消費品小売総額は
前年同期比13%増の3兆8439億元をマーク。

所得水準の向上や都市化の加速といった
基礎的条件が向上したところに、
クレジットカード、スーパーマーケット、
インターネットショッピングといった
消費者の利便性を高めるツールや施設が完備されつつあることから、
中国の購買能力は着実に拡大。
個人消費がGDPに占める割合は約40%と、
米国の70%、日本の60%に比べてまだまだ低いため、
今後の成長余地は膨大とされます。

過去の拙著などでも指摘しましたが、
消費セクターの銘柄を選ぶ場合、
次の諸点を基準にすると良いでしょう。

1.製品構成は中・高価格帯を主軸としていること:
現在の中国経済を牽引しているのは
2億人以上ともいわれる中間所得層ですが、
所得水準の向上にともない、
彼らのニーズはこれまでの低価格帯商品から
中・高価格帯製品にシフトしてきています。
高級輸入腕時計を扱う『新宇亨得利』(3389)、
低温加熱製品でシェアNO.1を誇る
食肉加工メーカーの『雨潤食品』(01068)などは、
こうしたニーズの変化の恩恵を受けそうです。

2.全国的な販売網を持つこと:
これは次の3にも繋がることですが、
広大で充実した販売網を持つことは、
その企業の知名度を高めますし、製品の生産段階においても、
スケールメリットによるコストダウンが図れます。
また、北京、深センなどはもちろんですが、
上海であれば杭州、温州というように、
最近ではこうした沿海都市を取り巻く
二、三級都市(衛星都市)における住民の購買力が
急速に高まりつつあることには、要注目です。
中国トップクラスのスポーツ用品メーカーとして
内陸都市の開拓に注力している
『安踏体育』(02020)などの強味が発揮されそうです。

(次回に続く)


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2010年12月20日(月)

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当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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