中国投資の羅針盤・阿部享士

阿部享士さんがご案内します

第36回
ディフェンシブ性の高さが光る内需関連

3.ブランドイメージが高いこと:
いうまでもなくブランドイメージの高さは、
そのまま競争力の高さにも繋がります。
乳製品の最大手である『蒙牛乳業』(02319)は
先のメラニン混入事件で痛手を受けましたが、
スポーツ用品メーカーの『李寧』(02331)、
『中国食品』(00506)傘下の「長城ワイン」など、
これら製品の中国における認知度は、すでに非常に高く、
海外製品とほぼ同じ長期的競争力を備えつつあります。

4.製品の開発、改良能力が高いこと:
消費関連企業のアキレス腱はやはり原材料コストの高騰。
2008年などは原油価格の急騰が引き金となり
インフレ圧力が増大しましたが、
こうした逆風のなかで問われるのが、
その企業の製品開発能力、改善能力です。
増大するコストなどに素早く対応し、新製品を開発あるいは改良し、
いかに高い粗利益率を維持するか、
上場企業のなかで、この能力に比較的優れるとされるのは
『雨潤食品』(01068)とされます。

(1)PMI指数(製造業購買担当者指数)は
2008年12月にボトムを付け、
経済成長と景気の後退の分かれ目とされる50ポイントを
09年3月から20カ月連続で上回っていること、
(2)農村部の1人当たり可処分所得の伸びが
都市部を上回ってきていること、などから分かるように、
中国の消費市場は拡大基調に維持。

上で挙げた企業以外にも自動車や建材などの関連企業にも
追い風が吹き始めています。
アメリカの景気減速にともなう外需減少が懸念されるなか、
中国経済のもう一つの原動力として、
内需関連企業のディフェンシブ性の高さが、
市場の注目を集めることになるでしょう。
2010−13年における
このセクターのEPS(1株当たり利益)成長率は
20%と高いものがありますが、
PER(株価収益率)がおおむね20倍を超えており、
割安感に欠けるため、
投資の際は「押し目」スタンスでのぞんだ方が良いでしょう。

(次回に続く)


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2010年12月24日(金)

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