中国投資の羅針盤・阿部享士

阿部享士さんがご案内します

第42回
儲けることが難しい時代だからこそ

日本に戻ったときなどは極力、
新聞や雑誌に目を通すようにしていますが、
相変わらずお金の記事が多いですね。

景気の良かった頃はお金儲けのチャンスが多かったので、
婦人雑誌や一般の新聞までマネーの欄を設け、
こうすればお金が増えるといった広告が
やたらに目立ったものでした。

ところが、バブルの崩壊で株や不動産の値が急落すると、
こうしたお金の記事が
ジャーナリズムから一斉に姿を消してしまいました。
あれから20年近くの歳月がたちましたが、
気がつくとお金の話が
また紙面の大きなスペースを占めるようになっていますし、
出版不況だといわれて久しいなか、
それでも株や財テクの本は減っていません。
また、儲けのチャンスが到来したのならわかりますが、
景気の先行きは不透明で、
利益を上げるために会社がリストラに大ナタをふるい、
首を切られた失業者が巷に溢れる時代に、です。

どうしてこんなピンチのときにマネーゲームが起るかというと、
かつてないほどお金儲けが難しくなったからだと
考えることもできます。
高度成長時代は働くことによって収入を得ることができたので、
余ったお金は銀行や郵便局に預けるだけの人がほとんどでした。
リスクを取って運用をしなくても、
銀行が稼いでそのお裾分けをしてくれたからです。

ところが、デフレが定着し、企業が軒並み減収減益になると、
金利が限りなくゼロに近づくようになり、
何年寝かせてもロクな金利がもらえなくなってしまいました。
今でも元も子も失うよりよりましだと考えて、
銀行や郵便局にお金を預けっぱなしにしている人は
まだたくさんいますが、
年金や医療制度の破綻が目の前に迫り、
自身の老後プラン、生活防衛などを考えて
株式投資などを始める人が増えてきているのも事実です。


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2011年1月14日(金)

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当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
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