中国投資の羅針盤・阿部享士

阿部享士さんがご案内します

第45回
中国に金融不安は当面、起きない

人民元預金のメリットとして
通貨価値の上昇以外に利子の高さも挙げられます。

いまのところ人民元の普通預金の利息は0.36%。
定期預金になると3ヵ月物が2.25%、6ヵ月物が2.50%、
2年以上だと3%超付きます。
個人口座の場合、
ここから20%の利息税が徴収されてしまいますが
(法人口座は利息税なし)、
それでも日本の銀行よりずっとお得です。

中国の預金利率は国家統一の規定で、どの銀行でも同じですから、
支店の多い4大銀行で開設するのが良いでしょう。
ちなみに中国の銀行口座の多くは、マルチ口座になっていますので、
米ドル、日本円など外貨預金も可能です。

銀行を筆頭に、よく中国のカントリーリスクとして挙げられるのが
金融不安ですが、これもそれほど心配ないでしょう。
中国の銀行業界は
『中国銀行』『工商銀行』『農業銀行』『建設銀行』の、
いわゆる4大国有商業銀行が金融総資産の70%近くを占めるという、
構造上の大きな特徴があります。
この4行が抱える不良債権額は2兆元ともいわれていましたが、
政府のバックアップのもと財務改善が進み、
株式会社化され身奇麗になりました。

また、北京政府は日本人が考える以上に格段にお金持です。
なぜなら土地も、資源も、
ほとんどの企業も国のものという中国では、
こうした資産が現在、
金の延べ棒に匹敵する価値を持っているからです。

例えば外資企業が中国に進出して工場などを建てる場合、
50年とか70年の期限付きで借用することになります。
猫の額ほどの土地でも借用料は500万米ドル、
1000万米ドルというのはザラですから、
上海の浦東などの一角を貸し出せば莫大な収益になる。
もともと国有地なのですから改めて土地を買収する必要などはなく、
住民に移住費用と新しい家屋を与え、
跡地の整備をすれば良いわけですから、
そのコストの低さは日本の比ではありません。
まさに濡れ手に粟の商売をしているようなもので、
北京政府にとって土地はお金を生み出す打ち出の小槌なのです。


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2011年1月24日(月)

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