中国投資の羅針盤・阿部享士

阿部享士さんがご案内します

第46回
人民元を軸に資産運用を

ここまで読まれて読者のなかには、
「人民元預金は確かに魅力的だが、制約も多い。
本土でなくもっと便利な香港でできないものか」
と考える方もおられるでしょう。

中国で金融というと香港が浮かびますが、
現在のところ香港で日本人が人民元口座を開くことは、
残念ながらできません。
確かに2003年11月から、
CEPA(中国本土と香港の間で経済・貿易緊密化協定)
の一環として、香港の銀行でも人民元業務が開始され、
預金、兌換、クレジットカードなどのサービスが行われていますが、
注意したいのは解禁の対象が
「香港の在住者」に限定されていること。
つまり香港の銀行で人民元業務を受けられるのは原則、
香港に住んでいる人だけです。

また、HSBCの在日支店などでは
人民元預金のサービスを行っていますが、
(1)最低預かり資産1000万円以上などの高額資金が必要で、
一般個人投資家にはハードルが高いこと、
(2)定期預金の金利が0.3−0.5%と中国現地と違って著しく低く、
為替手数料が往復で約3−5%もかかること、
など不便な点もあり、
一般的な個人投資家にはハードルが高いようです。

人民元を軸に資産運用をする。
私は7、8年ほど前からこれを命題に
投資プランを立て実行しています。
日本円の対米ドルレートを見ても、
360円から79円まで、4倍以上も値を上げたのですから、
いまからせっせと種をまいておけば、
何年後かに大きな花を咲かせることができるかもしれません。

また、もう少し積極的にお金を動かして資産を増やそうとするなら、
不動産も選択肢の一つでしょう。
これは中国人投資家の得意分野で、
外国人が行うにはいろいろと制限がありますが、
今のうちに優良物件を購入し、
賃貸収入で安定した利回りを受けながら、
近い将来の人民元切り上げを待てば、
不動産価格の値上がりと為替レート上昇のメリットを
ダブルに享受できる可能性があります。


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2011年1月28日(金)

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当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
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個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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