第51回
中国人サラリーマンの第一目標
中国では少し前まで、
外国人向けの“外銷房(わいしゃおふぁん)”と、
中国人向けの“内銷房(ねいしゃおふぁん)”を区別し、
外国人は中国人向けの住居を購入できませんでしたが、
現在ではこの区別は撤廃され、
外国人向けの高級物件も
安価な中国人向けのものと横並びの水準まで値を下げています。
また、日本と同じように中国でも不動産の登記制度があり、
不動産交易センターで登記すれば、権利書も発行され、
法的に所有権が確実に保護されます。
マイホームといっても、
日本のような“別墅(びえすー)”と呼ばれる一戸建ては少なく、
都市部では20階以上の高層マンションが主流となっています。
価格はロケーションや
物件クオリティーなどによってまちまちですが、
上海あたりで100平方メートル程度のスペースなら、
おおよそ100万元(約1500万円)前後、
これには内装費などは含まれていませんので、
自分の好きなようにデザインして、家具、家電製品など込みで、
さらに25万元(約375万円)。
これにマイカー代25万元を足して、
占めて150万元(約2250万円)というのが、
中国人サラリーマンの第一目標です。
しかし、都市部でも大卒の初任給の平均が
だいたい4000元(約6万円)という中国では、
共働きが当たり前といっても、
年4万8000元(約72万円)前後の家庭で、
150万元(約2250万円)の買い物をすることは容易ではありません。
そこで政府は住宅取得の奨励策としてローン制度を導入。
上海で1999年に『建設銀行』が
個人向け住宅ローンを実施したのを皮切りに、
現在では自己使用を目的としたものであれば、
比較的容易にローンが組めるようになっています。
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