中国投資の羅針盤・阿部享士

阿部享士さんがご案内します

第58回
リスクや引き際を考えながら投資を

中国人の富裕層が購入以上に気を使うのが物件の売り時です。

中国など発展途上国の不動産価格は
最終的に右肩上がりのカーブを描いていくでしょうが、
その道程は決して平坦なものではないでしょう。
景気の趨勢や政府の政策などによって大きく上下動、
場合によっては長期に低迷が続くこともありえますから、
深追いは禁物です。

投資をするタイミング
あるいは売却するタイミングを計るには、
経済指標はもちろん中国の場合は政府の政策や
それに対する市場の反を慎重に分析する必要があります。
景気のサイクルが仮に4年ぐらいだとすると、
中国人投資家が買いに入る期間はおおよそ4〜6ヵ月。
投資後は信用の置ける業者などに管理を任せ、
静かに経済の動きを見守る時期に入ります。
そして景気が活況を呈し、銀行ファイナンスなどが復活、
不動産市場の流動性が高くなった局面で、
ふたたび4〜6ヵ月かけて物件を売却するのです。

投資以外の仕事を持たない中国人の富裕層の中には、
4、5年の間で働くのは「買い」と「売り」の2回だけ。
あとの時間は家族と過ごしたり、
趣味や海外旅行などに使ったりして優雅に暮らしている人もいます。

現在、マンション販売は都市部を中心に非常に好調で、
価格も上向きだといいますが、
日本の場合、不動産の買い替えに対して
税金を繰り延べできる特例があるため、
売却でせっかく利益がでているのに、
また不動産に投資をして失敗するケースがほとんどのようです。
ただ、バブルのときを思い出してくだい。
「土地神話」を信じて不動産投資を重ねた日本人投資家の多くは
引き際が分からずに、最後には無一文という結果に終わっています。

中国における過剰流動性は今後も続きそうですが、
そろそろバブルの胚芽が膨らみつつあると指摘する
有識者の方もいますので、
これからの不動産投資は難しい局面に差し掛かりそうです。
あまり欲張らずリスクや引き際を考えながら
投資を行うことが肝要かと思います。


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2011年3月11日(金)

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当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
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