中国投資の羅針盤・阿部享士

阿部享士さんがご案内します

第60回
それでも増える自動車需要

こうした異常ともいえるナンバープレート価格の高騰を受けて、
一部市民の間では、価格の安い周辺の都市で
新車登録を行なう動きが見られるようになりましたが、
これには不便なところもあります。

ラッシュ時(平日の7:30−9:30と16:30−18:30)における
市内高速道路への乗り入れ禁止などがそうで、
違反すると200元の罰金が科せられます。
また、車にかかる各種税金も高くなります。

もちろん、こうした規制に対して
市民からは反発の声も少なくありませんが、
上海中心部の面積は狭く、人口も多いので、
自動車保有台数の増加を野放図に放置したら、
交通渋滞は一層深刻化してしまうでしょう。

事実、乗り入れ規制があるにかかわらず、
ラッシュ時の上海の高速道路はどこも大渋滞。
私の家のある古北から延安路高架やトンネルを使って、
この時間に浦東に行こうとしようものなら、
何時間かかるかまったく読めないほどです。
こうした状況を勘案するに、市政府当局としては
規制を妥当と判断するのは止むを得ないところなのでしょう。

経済成長とともに豊かになった人々が、
かつては夢であったマイカーを取得しようとするのは
自然の成り行きです。
とくに所得水準の高い上海では、
自家用車に対する需要は非常に大きく、
「おぉ〜」と思わず見とれてしまうほどの高級車をよく見かけます。
万博が終わったこの街の車事情が今後、
どのように変化していくのか。
とても楽しみです。


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2011年3月18日(金)

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