中国投資の羅針盤・阿部享士

阿部享士さんがご案内します

第61回
IPO銘柄のパフォーマンスは?

1月28日に上場した『宝峰時尚』(01121)を最後に
香港のIPO(新規株式公開)も一服したようなので、
2010年の年初から上場した銘柄の
パフォーマンスを改めて検証してみましたが、
別表にある通りその結果はまさにまちまち。

小社の投資情報紙
『ベンチャーインテリジェンス』などでも紹介した
『瑞年国際』(02010)、『海東青新材料』(02228)が
3ケタ以上の上場率をマークした一方、
公募価格を高めに設定した『四環医薬』(00460)、
『好孩子国際』(01086)、『博士蛙国際』(01698)、
『創生控股』(00325)などの株価は伸び悩んでいますが、
視点を変えてみればこれは押し目の好機かもしれません。
これらの企業の事業ビジョンははっきりしており、
中期的な業績成長力にも問題はないとみられるからです。

香港証券取引所によれば、
2010年におけるIPOによる資金調達額は
前年同期比79%増の4450億香港ドルに達し、過去最高を更新。
世界1位となりました。

この原因は『友邦保険』(01299)や『農業銀行』(01288)など、
大型上場が複数あったためで、
とくに『友邦保険』の資金調達額は1590億香港ドルと、
2010年最大であっただけでなく、
06年上場の『工商銀行』(01398)の1249億香港ドルをも抜いて
史上最大となりました。

また、上場企業の国際化も
徐々に進んでいることにも着目したいところです。
昨年は前出の『友邦保険』以外にも
ロシアのアルミ最大手『RUSAL』(00486)、
モンゴル最大のコークス生産企業
『モンゴリアンマイニング』(00975)など、
外国企業の上場も目立ちましたが、この傾向は今年も続きそうで、
すでにイタリアの高級ファッションブランド『プラダ』などが
上場の意向を示しています。

2010年末時点で香港証券取引所のメーンボードには1470銘柄、
GEMには169銘柄が上場され、
その時価総額は前年同期比18%増の
21兆770億香港ドルに達していますが、
中国という成長市場を後ろ楯に、
香港市場は今後も精力的に世界のリスクマネーを吸引しそうです。

参考:IPOパフォーマンス表


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2011年3月21日(月)

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当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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