中国投資の羅針盤・阿部享士

阿部享士さんがご案内します

第62回
中国株/セクター別投資戦略(1)

香港市場では
中国企業の2010年決算発表がピークを迎えつつありますが、
各銘柄(企業)の業績などを分析しながら、
ポートフォリオを組み替えるには今が絶好の時期でしょう。
そこで、今回からしばらく
主要セクターの見通しなどを探っていくことにします。

☆保険=大手による寡占が進む
2011年における保険業界の成長の原動力は
銀行窓口を通じた保険販売と、自動車保険となりそうですが、

1.政府主導による規制策
 (商業銀行1行当たり契約できる保険会社を3社までに限定する)
2.ナンバープレートの発行枚数の制限を通じた自動車販売規制

などにより
全体の売上高(保険料収入)の伸び率は鈍化。
販売力に優れた大手による寡占が進むと予想されます。

投資収益の方面では金融引き締め策の発動により、
国債や定期預金などからの収益が増加しそうですが、
株式や不動産投資などは
相場の低迷や政府の一連の規制策の影響を受け減少。
QDII制度の導入による海外投資の解禁など、
中央政府の規制緩和にともない、
保険会社の投資手段は多様化してきていますが、
今後は手持ち資産の運用の巧緻が業績に大きく影響しそうです。

GDPが1%成長すると
保険市場は1.6%拡大するとの先進国のデータから、
“十二五計画”(第12次5ヵ年計画/2010〜15年)の期間中の
GDP成長率8%に対して
中国の保険市場は年平均15%程度のスピードで
拡大するとみられます。

香港に上場する保険銘柄の
2011年予想PER(株価収益率)の平均は18.5倍と
割安感に欠けますが、
向こう3年間のEPS(1株当たり利益)の伸び率は
約25%に達すると予想されるため、投資は押し目スタンスで。
あえて狙い目を挙げるとするなら、
自動車保険に強い『中国太保』(02601)や、
傘下に銀行などを持ち、総合的な金融サービスが行える
『中国平安保険』(02318)あたりでしょうか。


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2011年3月25日(金)

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当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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