第63回
中国株/セクター別投資戦略(2)
☆不動産=物色対象は二、三線都市の開発に強いところを
国家統計局のデータによると、
2010年における不動産開発の投資額は
前年比33.2%増の4兆8267億元。
物件の販売総額と面積はそれぞれ5兆2500億元(同18.3%増)、
10億4300万平方メートル(同10.1%増)に達しました。
保障性住宅(低所得者の生活保障を目的とする住宅)の増加により、
今年も物件販売量は一定の増加をみせる反面、
ローン規制など投機行為に対する一連の規制策により
物件価格は安定傾向を強めると予想されます。
ただ、内陸部の二、三線都市などは
所得水準の向上により需要が増加していることに加え、
物件価格も沿海都市部に比べまだ低い水準にあるため、
今後の不動産業界の発展を支える原動力となりそうです。
過去1年の不動産銘柄の株価は、
金融引き締めや政府の規制策の影響で押し並べて軟調。
そのパフォーマンスはハンセン指数を下回っていますが、
堅調な販売成績や高いNAV(純資産)が再評価され、
持ち直す可能性が大きいとされます。
建材メーカーなども
保障性住宅の増加による需要増の恩恵を受けるでしょう。
このセクターの物色対象は『龍湖地産』(00960)、
『華潤置地』(01109)、『恒大地産』(03333)など、
二、三線都市の開発に強味のあるところを中心に。
政府の金融政策の動向などを見極めながら、
慎重に拾っていきたいところです。
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黄浦江沿いに立ち並ぶ上海の高級マンション |
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