|  
         第65回 
          中国株/セクター別投資戦略(4) 
        ☆小売=百貨店とスーパー、インフレに強いのは? 
          現在、個人消費が中国のGDPに占める割合は 
          35%前後まで増加していますが、 
          百貨店の顧客1人当たり売上高はアメリカの17%にとどまっており、 
          今後の拡大余地は大きいとされます。 
        都市化や工業化の加速も個人消費を押し上げる要因の一つ。 
          内陸部を中心に百貨店や小売業の売上げは 
          右肩上がりをキープしそうです。 
        インフレ期における企業収益の動向は 
          そのコスト転嫁力によって左右されますが、 
          百貨店の多くは売上歩合制を採り、 
          売上高のおよそ20−30%をテナント料として徴収、 
          また最低保証額も設けられているため、 
          百貨店側の収入は比較的安定。 
          インフレに強い業種の一つといえるでしょう。 
          一般的に知名度の高い百貨店は消費者の人気も高いことから、 
          優秀なブランドを集めることができ、 
          売上も大きくなる傾向があります。 
        逆にインフレにより 
          収益を圧迫され易いのはスーパーマーケットです。 
          スーパーの扱う商品のほとんどは生活必需品で、 
          粗利益率が低いため、 
          コストの増減が即、収益の増減に結び付きます。 
          インフレ抑制にやっきになっている中央政府が 
          各製品の価格動向に目を光らせている現状では、 
          大幅な販売価格の引き上げもできないため、 
          苦しい経営を強いられることになります。 
        2011年の予想EPS(1株当たり利益)をベースとした、 
          このセクターのPER(株価収益率)と 
          PBR(株価純資産倍率)の平均はおおよそ23.1倍、3.8倍。 
          過去の株価データなどからみても 
          それほど割安な水準にあるとはいえないため、 
          相場の状況にもよりますが、 
          上値の余地はそれほど大きくないようです。 
          従って銘柄選択の際は『百盛集団』(03368)、 
          『国美電器』(00493)など、 
          出遅れ感のあるものに着目してください。 
       |