第69回
中国株/セクター別投資戦略(8)
☆医療機器・保健=好調な業績を先取りし株価は高水準に
「欧州医療機器産業連合会」
(Eucomed)などのデータによると、
中国の医療機器関連の年間支出額は医薬品の18.4%に過ぎず、
アメリカの48.0%はもちろん、世界平均の40.7%と比べても
かなり低位に置かれています。
2010年1−10月期における中国の医療機器業界の総売上高は
前年同期比26%増の998億元。
輸出額も同22%前後の伸びをみせています。
経済成長にともなう生活水準の向上や高齢化社会の到来は、
医薬品とともに医療機器への要求、
需要増加を促す大きな要因の一つとなるでしょう。
このセクターに属する銘柄の向こう3年間(2010−13年)における
EPS(1株当たり利益)成長率は約34%と高いものがありますが、
好調な業績を先取りするように株価は高水準に。
11年の平均PER(株価収益率)とPBR(株価純資産倍率)は
29.8倍と4.4倍と比較的高値圏にあるため、
安易な追従買いなどはお薦めしません。
ただ、がん診断用の蛋白チップと
関連製品の製造を主力事業としている『銘源医療』(00233)や、
江蘇省に本部を置く整形外科用品メーカー
『創生控股』(00325)などは将来的に大きく飛躍しそうなので、
相場の急変などで株価が下がるようなら
下値を拾ってみるのも面白いでしょう。
また、保健業界の置かれている環境も
基本的に医療機器とほぼ同じです。
都市化の加速や所得水準の向上が需要を促進するでしょう。
これらの関連企業(銘柄)の売上高総利益率は比較的高いため、
インフレに対するディフェンシブ性にも優れることが特徴です。
個別は本紙でたびたび紹介している
『瑞年国際』(02010)はもちろん、
韓国の化粧品会社『HANBUL』などと提携し、
フェイシャルマスクなどのスキンケア用品の
製造・販売を手掛けている『美即控股』(01633)などに注目。
フェイシャルマスクの市場シェア15.1%を獲得し、
トップメーカーの地位を確立している同社の
2010−13年におけるEPS(1株当たり利益)伸び率は
平均26%に達すると予想されます。
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