中国投資の羅針盤・阿部享士

阿部享士さんがご案内します

第74回
中国株/セクター別投資戦略(13)

☆通信=3Gの普及率向上がカギ
まず、キャリアに関しては
3Gの普及率向上が収益を押し上げる原動力となりそうです。

3Gシステムは現在、165カ国で採用され、
その普及率は日本の89%を筆頭に、先進国では平均30%、
発展途上国でも10%程度に達していますが、
中国のそれはわずか4.6%にとどまっています。
中国ではナンバーポータビリティがなく、
2Gから3Gに乗り換える際に電話番号を変更しなければならず、
抵抗を感じるユーザーが多いためです。

3G対応の携帯端末は各キャリアから続々と販売されていますが、
当面のカギはスマートフォンの販売台数が
どこまで伸びるかでしょう。
音声通話などの通信機能だけでなく、
パソコンやPDA(携帯情報端末)の
機能が備わったスマートフォンは、3Gシステムの利用が前提。
その利便性が理解されれば
中国でも大きく販売台数を伸ばしそうです。
普及率が10%を超えると、一気に3Gユーザー数は増加するという
先進国のデータもありますので、
今後の普及率の推移に注目したいところです。

また、通信機器メーカーに関して述べるなら、
3G携帯もそうですが、
ブロードバンド関連の売上が大きく増加しそうです。
現在、世界の主要国のインターネットの回線速度の平均は
14.7メガバイトとなっているのに対し、
中国のそれは4メガバイト以下と低いため、
今後の発展余地は大きいとされるためです。

十二五計画”(第12次5ヵ年計画/2010〜15年)では
通信産業に約2兆元が投入される計画ですが、
そのうちの8割がブロードバンド網の建設に充てられる見通し。
『中興通訊』(00763)、『京信通信』(02342)などが
この恩恵を受けそうです。


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2011年5月6日(金)

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