第76回
中国株/セクター別投資戦略(15)
☆水処理=政府のテコ入れで市場規模が急拡大
住建部の統計によると、中国の22%の都市で
汚水処理場が不足しているとされ、こうした現状を改善するため、
“十二五計画”(第12次5ヵ年計画/2010〜15年)では、
環境保護関連に3兆1000億元を投入される見通し。
これにより汚水処理事業の市場規模は
現在の3500億元から2015年には7500億元へ拡大するとされます。
関連企業の今後の収益を支える要素は次の二つです。
(1)処理費用の引き上げ:
現在、中国の各都市の汚水処理費用の平均は
0.7元(1トン当たり、以下同)で、
これに対するコストは1.1元となっていますが、
運営企業の収益保護と設備投資の促進のため、
今年中に汚水処理費用の平均を
1.2元以上に引き上げる可能性が高い。
(2)産業集中度の低さ:
歴史的原因などから、中国の汚水処理産業は産業集中度が低く、
トップ10社の上水供給及び汚水処理事業の市場シェアは
それぞれ10%、25%しかないため、今後の市場拡大余地は膨大。
今後は管理能力や資本力に優れる大手の寡占が進むと予想される。
現在の水処理関連株の株価は2011年の
予想PER(株価収益率)とPBR(株価純資産倍率)は
13.2倍と1.6倍とまずまずの水準にあり、
同年のEPS(1株当たり利益)伸び率の平均も
18.4%と堅調な成長が予想されます。
個別銘柄で注目すべきはまず『北控水務』(00371)でしょう。
同社は全国28カ所で汚水処理場を経営。
1日の処理能力は180万トンと業界トップクラスにありますが、
今後も親会社の『北京エンタープライズ』(00392)などから
資産注入を受け、急成長が期待されます。
2010−11年におけるEPS伸び率は50%以上を予想しています。
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