第77回
中国株/セクター別投資戦略(16)
☆セメント・建材=政府の規制策で需給はタイトに
セメント業界は中長期的に安定した成長が期待できそうです。
2009年に中国で新たに稼働したセメントの生産ラインは92本、
その生産能力185億トンに達しましたが、
10年は15本、2249万トンへ急激に縮小。
また、新型乾式セメント生産ラインの設置比率の引き上げ、
単位生産量当たりの原材料・エネルギー消費量の制限、
など盛り込んだ
「セメント業界への参入条件」が
11年に工信部から発表・実施されたため、
業界への新規参入は事実上ほぼ不可能に。
今後は大手メーカーによる寡占が進むと予想されます。
向こう3年を目処に
年産能力3億トン分の生産設備が廃棄されることも、
今後の需給バランスをタイトにする要因に一つとなりそうです。
中央政府で行われている
保障性住宅(政府が低中所得世帯に提供する廉価住宅)、
高速鉄道、水利施設への投資拡大はセメントを始め、
建材需要なども押し上げることになるでしょう。
国土資源部のデータによると、
2010年に新たに貸し出された開発用地は
前年比108%増の42万8000ヘクタールとなっていますが、
保障性住宅向けの開発用地の増加率は同338%となっています。
石炭価格の上昇にともなうコスト増という懸念材料もありますが、
このセクターの関連企業の業績は
基本的に右肩上がりをキープしそうです。
『海螺セメント』(00914)などの大手はもちろん、
プラスチック管及び
管継手の製造を手掛ける『中国聯塑』(02128)、
総合建材メーカーの『北京金隅』(02009)などの
業績推移に注目してください。
 |
『海螺セメント』(00914)のHP URL:http://www.conch.cn/ |
|