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         第78回 
          中国株/セクター別投資戦略(17) 
        ☆インフラ=CO2削減で海洋エネルギーに対する需要が増大 
          “十二五計画”(第12次5ヵ年計画/2010〜15年)における 
          力点の置かれているインフラ投資は、 
          (1)西武鉄道及び高速鉄道網の全国的拡充、 
          (2)海上油ガス田の開発、 
          (3)水利施設及び水力発電の建設加速、となっています。 
        2010年における鉄道関連のインフラ投資額は 
          前年比18%増の7091億元で、 
          鉄道の総延長は9万1000キロメートルに達しましたが、 
          鉄道部は今年さらに7000億元を投入。 
          15年までにその総延長を 
          12万キロメートルまで伸ばすとしていますから、 
          この業界の発展はまだ続きそうです。 
        また、中国政府は2020年までに非化石燃料が 
          一次エネルギー 
          (自然界に存在するそのままの形を用いて 
          エネルギー源として使われているもの)消費に占める割合を 
          15%まで高めるとともに、 
          GDP1万元当たりのCO2(二酸化炭素)排出量を 
          2005年比で最大45%削減する、との目標を掲げていますので、 
          今後は水力発電や海洋エネルギーに対する需要が増大しそうです。 
          “十一五計画”(第11次5ヵ年計画/2005〜09年)における 
          水力発電プロジェクトは、 
          発電機容量換算で約2000万メガワットでしたが、 
          十二五計画では 
          今年だけでこれを上回る規模の開発が行われる見通しです。 
        『Bloomberg』の予想によると、 
          このセクターに属する企業の平均PER(株価収益率)は 
          2011年ベースで11.1倍と、比較的低位に。 
          同年のEPS(1株当たり利益)伸び率も 
          25.6%に達するとされますので、 
          『中国中鉄』(00390)、 
          『中国交通建設』(01800)などに注目です。 
          中国においてインフラ投資は 
          依然として政府の重点項目(プロジェクト)であるため、 
          その投資額は中長期的に穏やかに増加していくでしょう。 
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