中国投資の羅針盤・阿部享士

阿部享士さんがご案内します

第79回
中国株/セクター別投資戦略(18)

☆設備&機械関連
好調な業績を先取りするように株価は高水準

このセクターは大きく
(1)鉄道交通、(2)大型機械、(3)建設
の3つに分けられます。

鉄道交通では2011年初に鉄道部が
2020年までの建設計画を15年末までに前倒しで行うと発表。
鉄道の総延長距離を12万キロメートル
(高速鉄道1.5万キロメートル、西部鉄道5万キロメートルを含む)
まで延長するほか、
鉄道車両保有量も10年末の500列から
1500列以上に増加させるとしているため、
『中国南車』(01766)などのメーカーが
この恩恵に浴すると予想されます。

また、中国の大型機械市場もこのところ安定成長を続けています。
2010年1−9月期における輸送設備と鉱業設備の生産量は
それぞれ38.7%、17.7%増加する見通し。
石炭設備の更新需要などが中心となり、
11年も20%以上のペースで拡大するとみられています。

建設関連の設備も同様です。
2010年1−10月期における生産総額は前年同期比55%の増。
内訳は掘削機が78.7%の増、ブルドーザーが69.8%増、
ローダーが57.1%増となっています。
高級住宅に対する中央政府の規制策の影響で
不動産建設のスローダウンが懸念されていますが、
保障性住宅(政府が低中所得世帯に提供する廉価住宅)の増加により
トータル的にはイーブン。
大きな需要減少は起きないとされます。
中国3大建設機器メーカーの一角で、
安価な製品価格を武器にシェアを拡大している
『中国龍工』(03339)などの業績は
今後も安定成長をキープしそうです。

このセクターに属する企業(銘柄)の
2010年から向こう3年間のEPS(1株当たり利益)は
平均30.9%に達すると予想されますが、
好調な業績を先取りするように
平均PER(株価収益率)が21.3倍(11年予想)と
比較的高い水準にありますので、
投資評価は「押し目」のスタンスを
崩さないようにしたいところです。





←前回記事へ

2011年5月23日(月)

次回記事へ→

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ