中国投資の羅針盤・阿部享士

阿部享士さんがご案内します

第81回
中国株/セクター別投資戦略(20)

☆非鉄金属=銅やレアメタルの価格は右肩上がりに推移
貴金属同様、リスクマネーの流動性の高まりを受けて、
銅やレアメタルの価格は右肩上がりに推移しそうです。
各非鉄金属の見通しは以下の通りです。

銅:世界最大の銅消費国である中国の需給バランスは、
送電網建設の加速や家電需要の増加、
保障性住宅(政府が低中所得世帯に提供する廉価住宅)などからの
需要増を受けて、依然、タイトに。
世界的にも銅鉱山の開発ペースが鈍化し、
生産量が減少していることから、
今後もその価格は高い水準を維持しそうです。

アルミニウム:基本的な需給バランスは依然、
ルーズな状況にあります。
LME(ロンドン金属取引所)の在庫は2009年を境に急増。
SFHE(上海期貨交易所)のそれも高水準で推移しており、
供給過多は少々、深刻です。
これにともない価格も低水準で推移しています。

亜鉛&ニッケル:家電、インフラ建設などからの
需要が増えつつあるものの、
亜鉛の需給バランスは依然、ルーズです。
ニッケルもほぼ同様で、
ステンレスの性能を更に向上させるための添加金属であるため、
その価格はステンレスの需給に大きく左右されます。

レアメタル:レアメタルはほとんどの製造業で不可欠な素材です。
半導体産業ではタングステンやモリブデン、
ニッケル等が必須の素材ですし、
自動車産業では白金やパラジウムは重宝されていますが、
これらは地殻中の存在量が比較的少なく、
単体として取り出すことが技術的に困難であるため、
業界への参入障壁が高いことが特徴。
最近では主な生産国である中国などが輸出規制をかけているため、
今後もその価格は右肩上がりを描くと予想されています。

このセクターに属する銘柄として先行き期待の大きいものは
『江西銅業』(00358)、『中国金属再生資源』(00773)、
『洛陽欒川モリブデン』(03993)などが挙げられますが、
貴金属同様、
この業界の企業の株価は製品価格と基本的にリンクしますから、
その動向には注意してください。





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2011年5月30日(月)

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当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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