第86回
中国株/セクター別投資戦略(25)
☆港湾&海運=EPSの伸び率は10%前後に
世界的な景気回復を受け、中国の貿易量もふたたび拡大基調に。
2010年1−12月期の輸出入総額は
前年同期比34.7%増の2兆5423億米ドルとなり、
コンテナや乾燥バルクの取扱量のも倍増しています。
2011年の見通しに関しては、
コンテナと乾燥バルクでその状況が異なりそうです。
インフレ抑制を受けた経済成長の鈍化は、
コモディティなど、製品の輸入に歯止めを掛けるため、
乾燥バルクや原油(タンカー)市場には不利。
反対にコンテナ需要は欧米経済の回復を受けて、
輸出を中心に増加しそうです。
主要港における手数料の引き上げも、
関連企業の収益に厚みを加えそうです。
同様のことは海運業者にもいえます。
乾燥バルク船の需給バランスは基本的にルーズで、
BDI(バルチック海運指数)は引き続き低位に。
タンカーも金融危機から
いち早く立ち直った新興国の需要が拡大しているものの、
今年中に5870万トン分の新船が就航することから、
需給バランスは基本的にイーブンとされます。
このセクターの関連株の2011年の予想PER(株価収益率)は
約12倍と、過熱感はありませんが、
11−12年におけるEPS(1株当たり利益)の伸び率は
10%前後にとどまるとみられるので、
積極的な買いは控えたいところ。
物色対象は『招商局国際』(00144)、
『中遠太平洋』(01199)など、
中国の主要港を幅広くカバーしている
港湾大手に絞りたいところです。
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