第87回
中国株/セクター別投資戦略(26)
☆航空&空港=11年のEPS伸び率は−3.6%
先行き見通しは「ニュートラル」です。
中国民航総局の発表によると、
2010年における各航空会社の飛行時間は13万6000時間に達し、
その総輸送量は500億トン/キロメートルで、
貨物及び郵便物の輸送量も500万トンに達しました。
こうした好環境下、同年における各航空会社と空港の収益は
300−437%増加、
その総利益の合計はそれぞれ351億元、50億元となる見通しです。
しかし、今後の業績に関しては楽観視できないようです。
民航総局の予想によると、2011年の総輸送量、
貨物及び郵便物の輸送量、
各航空会社の飛行時間はそれぞれ600億トン/キロメートル、
620万トン、15万600時間に達するとされますが、
10年の増益率が高かったために、関連会社の利益の伸びは縮小。
原油価格の高騰にともなうコスト増なども業績を圧迫しそうです。
また、中長期的には高速鉄道との競合も懸念材料となりそうです。
移動距離は800キロメートル以上であれば、
コストの面などから鉄道より飛行機の方が有利で、
その需要が衰えることはない、という有識者の見解もありますが、
高速鉄道網の拡充や整備が加速し、
各路線への乗り継ぎがスムーズになれば、
ニーズの分散化が進むとみられるため、
航空需要に一定のマイナス影響を与えそうです。
『Bloomberg』の予想によると、
このセクターに属する企業の平均PER(株価収益率)は
2011年ベースで9.3倍と低位にありますが、
同年のEPS(1株当たり利益)伸び率の平均は
−3.6%となっています。
「海南離島免税政策」
(旅行客が同島内で輸入製品を購入した場合、
5000元まで無税とする措置)の実施で、
利用客の見込まれる『美蘭空港』(00357)など以外、
このセクターへの投資は当面、見送った方が無難でしょう。
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