第89回
中国株/セクター別投資戦略(28)
☆新素材=関連プロジェクトに10兆元を投入
中国政府は「“十二五計画”
(第12次5ヵ年計画/2010〜15年)策定に関する中共中央の提言」
において、
「戦略的新興産業を発展させる」と明記。
戦略的新興産業の分野として次のものを挙げ、
今後5年間で10兆元を投入。
「2020年までにこれらが名目GDPに占める割合を
15%前後まで高め、国民経済を牽引する産業に育成する」
としています。
1.省エネ・環境保護:省エネ・環境保護 技術や製品など。
2.新世代情報技術:通信インフラ建設などの加速。
集積回路、新型フラットモニター、
ハイエンドのソフトウェア分野など。
3.バイオ:バイオ薬品、バイオ農業の発展やバイオ製造技術の開発
4.ハイエンド装備製造:航空・宇宙産業、鉄道などの分野
5.新エネルギー:新世代原子力エネルギー技術の開発や、
太陽エネルギー技術の普及、風力発電の規模拡大
6.新素材:新機能素材や、高性能複合素材の開発。
7.新エネルギー車:電池・モーター・電子制御に関するコア技術の
開発及び電気自動車の普及・産業化
今回、取り上げた新素材産業の代表的な製品として
炭素繊維、超電導材料、ナノテク材料、高性能レアアース、
BOPA(2軸配向ナイロン薄膜)などが挙げられます。
これらは現代生活のあらゆるところに使われているほか、
軍需産業からの需要も増加傾向。
その市場規模は2009年末の時点で約1000億元に達していますが、
今後も年20%以上のペースで拡大すると予想されています。
工業用不織布、化繊の研究開発から製造販売まで手掛ける
『海東新材料』(02228)のほか、
香港市場には7銘柄の新素材関連が上場。
その株価は2011年予想PER(株価収益率)で
約10倍と低位にあります。
環境保護タイプの冷媒、有機シリコン、
フッ素樹脂製品の製造を手掛け、
2010年決算で3倍以上の増益計上が期待される
『東岳集団』(00189)などの株価動向に目を光らせてください。
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