|  
         第94回 
          太陽光発電関連の要注目銘柄は? 
        日本の福島第一原発の事故を契機に、 
          再生エネルギーへの注目がふたたび高まっていますが、 
          今後躍進が期待される中国企業は 
          どういったものがあるでしょうか? 
        香港市場に上場している銘柄のなかから、 
          『コムテックソーラー』(00712)、『保利協シン能源』(03800)、 
          『中国電力新能源』(00735)などに着目してみました。 
        『コムテックソーラー』(00712)は 
          もともと半導体メーカーでしたが、 
          2004年から太陽光発電用ウェハーの 
          新たな技術革新に開発資源を集中。 
          2010年末の年間生産能力は600メガワットで、 
          製品の99%は中国国内と台湾で販売されています。 
          香港上場は2009年10月です。 
        環境保全やクリーンエネルギーの発展を目指して中国政府は、 
          “十二五計画”(第12次5ヵ年計画/2010〜15年)なかで、 
          一次エネルギーの消費比率を 
          現在の7%から9%に高めると定めたほか、 
          風力や太陽光の消費比率を0.8%から2.6%に拡大するとしています。 
          自然の力を利用するため、 
          建設場所が限られるなどの弱点もあるものの、 
          CO2(二酸化炭素)などを排出しないクリーンエネルギーとして、 
          太陽光発電は今後、大きく発展していきそうです。 
        こうした好環境下、同社の業績は2010年から急成長期に突入。 
          先に発表された同年の期末決算では 
          前年比101.5%の増収(売上高10億2140万元)、 
          793.7%の増益(純利益2億2290万元)を計上。 
          需要増を受けて、主力製品の156ミリウェハーの販売比率が 
          09年の46.4%から88.2%へ急拡大したことが主要因。 
          原材料のポリシリコンの価格低下により 
          売上高総利益率が10.9%から32.4%に大きく改善したことも 
          収益に厚みを加えました。 
          同年のトータルの販売量は09年比102.9%増の165メガワットでした。 
        昨年、同社はIPO(新規株式公開)で調達した資金を用いて、 
          年間生産能力を600メガワットまで拡充しましたが、 
          積み上がった受注を消化するために、 
          今年中にさらに1000メガワットまで増強する予定。 
          また、エネルギー効率が23%と高いN型太陽電池セルを 
          いち早く投入し、市場競争力を保つ見通しです。 
        3月時点での受注残は770メガワット分に達していることなどから、 
          今年の出荷量は2010年比ベースで約3倍に。 
          これにともない同年の売上高も約230%増加すると予想されます。 
          同銘柄の時価総額は約36億香港ドルと比較的小さいため、 
          株価のボラティリティは大きめですが、 
          うまく押し目の好機を捉えたいところです。 
         
       |