中国投資の羅針盤・阿部享士

阿部享士さんがご案内します

第95回
多結晶シリコンを生産に乗り出した『保利協シン能源』

『保利協シン能源』(03800)
『保利(香港)』(00119)傘下の発電企業。
江蘇省や浙江省に発電プラントを構え、
中国国内で発電所の建設から管理、運営を手掛けています。

原料は石炭以外に未利用資源とされていた泥炭や脈石のほか、
ごみを利用するなど、エコ原料を使った発電方法が特徴。
これらを燃やして生産した蒸気の力で発電を行っています。
また、2010年には太陽光発電に使われるウェハー、
多結晶シリコン(ポリシリコン)の生産にも着手。
これを機に業績を大きく伸ばしつつあります。

先に発表された2010年期末決算における売上高は
前年比324.09%増の187億7200万香港ドル。
純利益も45億2300万香港ドルに達しています。
昨年に買収が完了したウェハーメーカー
『高佳太陽能公司』の業績が計上されたことや、
ポリシリコン生産設備を拡充したことなどが
大幅な増収増益につながったかたち。
同期の1キログラム当たりの生産コストは22.5米ドルで、
売上高総利益率は36.8%。
EPS(1株当たり利益)は0.26香港ドルに達しています。

同社は2010年下半期から今年2月にかけて、
『晶澳』『林洋』『天合光能』『Canadian Solar』『中電光伏』
などの太陽電池セル・モジュールメーカーから、長期契約を獲得。
16年までに納入される製品は
発電量換算で50ギガワット超にのぼりますが、
急増する需要に対応すべく生産能力を拡充中。
177億香港ドルを投入し、
今年までにポリシリコンの生産能力を
6万5000トンまで増強するほか、
12年末までにウェハーの生産能力も
6.5ギガワットまで増加させる見通しです。

また、太陽光発電所の建設・運営プロジェクトに関しては、
米『ソーラー・リザーブ』と合弁会社を設立。
『ソーラー・リザーブ』の発表によれば、
米国40地域に出力5−20メガワットの太陽光発電所を
建設する計画を持っています。

先行きが非常に楽しみな銘柄といえそうです。





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2011年7月18日(月)

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