中国投資の羅針盤・阿部享士

阿部享士さんがご案内します

第97回
バックアップ体制はまさに「至れり尽くせり」

同社が積極的に風力発電の開発を加速している背景には、
中央政府の政策があります。

中国は2008年の時点で、アメリカ、フランス、スペインに次ぐ
世界第4位の風力発電大国に躍進していますが、
政府の掲げる『再生可能エネルギーの中長期発展計画』によれば、
国全体の総発電量に対する
再生可能エネルギー(水力を除く)の割合を
2007年の0.7%から20年までに15%へと
大きく引き上げていくとされています。

この『計画』の数字は、風力発電、太陽光発電、バイオマスなど
再生可能エネルギー全体をあわせた目標値。
したがって、風力発電業界の見通しだけを
ピンポイントで捉えたものではありませんが、
税制面でも、風力関連設備メーカーに対して
「三免三減半」(法人税3年間免除、つづく3年間は5割に減額)
の継続が決定しているほか、
生産コストの削減を後押しする政策なども準備されており、
当局のバックアップ体制はまさに
「至れり尽くせり」の観があるのです。

中国政府は、国内総生産(GDP)当たりの
二酸化炭素(CO2)排出量を2020年までに05年と比べて
40〜45%削減するとの目標を公表しているため、
これから息の長いテーマとして、再生可能エネルギー関連は
これから折に触れ市場の注目を集めそうです。

政府と太いパイプを持つ
『中国電力新能源』の先行きにも期待が高まるところです。
同社の現在の株価は2011年の予想PER(株価収益率)は約13倍と、
他の発電企業と比べると高水準にありますが、
今後の利益成長率などを考慮すれば、
投資価値は高いといえそうです。

風力発電企業としてはほかに『龍源電力』(00916)、
『華能新能源』(00958)、
『大唐新能源』(01798)などが上場していますが、
これらについてはまた改めてご紹介したいと思います。





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2011年7月25日(月)

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