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         第98回 
          ソーセージ用ケーシングメーカーの最大手『神冠』 
        今回は日本の投資家にも人気の高い、 
          中国の食品関連株のなかから『神冠』(00829)をピックアップ。 
          2010年の期末決算の内容などを検証してみましょう。 
        同社は広西チワン族自治区梧州市を拠点とする 
          ソーセージ用ケーシングメーカー。 
          食用コラーゲンを原料とする 
          ソーセージの表皮部分(ケーシング)を製造販売しています。 
        製品は社名でもある「神冠」の名前で販売。 
          年間の生産能力は約21億メートル。 
          主な取引先には『雨潤食品』(01068)、『河南衆品食品』など、 
          国内の大手食品加工メーカーが名を連ねており、 
          売上比率は中国国内が90%以上を占めています。 
          2010年末時点における市場シェアは90%です。 
        業績は現在、急拡大中。 
          2006−09年における純利益はそれぞれ8482万元、 
          1億2100万元、1億7300万元、3億2606万元で、 
          平均伸び率は50%以上をキープ。 
          先に発表された2010年期末決算では 
          前年比45.1%の増収(売上高11億5300万元)、 
          57.5%の増益(純利益5億1400万元)を計上しています。 
        ソーセージのケーシングは豚や羊の腸を原料とする天然ものと、 
          牛の内部の皮のコラーゲンを可溶化し、 
          製造したものの2種類があり、 
          中国ではこれまで天然ものが主流でしたが、 
          安定的なコストで大量生産や流通をするには不向きとされ、 
          急増する需要に対応できていませんでした。 
          こうしたなか同社はコラーゲンを用いたケーシング生産に特化。 
          生産能力の拡大とともに需要を効率的に取り込み、 
          収益を飛躍的伸ばしています。 
        生産ラインのメンテナンスなどにより、 
          昨年の売上高総利益率は前年比で2.3%ダウしたが、 
          それでも60.6%の高レベルを維持。 
          主な原材料である牛皮の価格も安定傾向にあるため、 
          今後2−3年も60%の粗利益率を維持できる見通しです。 
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