中国投資の羅針盤・阿部享士

阿部享士さんがご案内します

第99回
中国の食品関連株の筆頭『神冠』

中国が世界最大の豚肉消費国であることは有名ですが、
2003−08年にかけて同国の加工肉類の販売量は
20万5450トンから37万4220トン増加。
これにともないソーセージの販売量も5万5280トンから
10万7690トンへ、年14.27%のペースで増加。

今後も、
1.業界再編の加速によるメーカーの生産効率のアップ、
2.大型スーパーの増加など、
  小売店舗の充実による供給量の増加、
3.収入レベルの向上にともなう消費能力の拡大、

などにより年間14%前後の成長が予想されています。

こうしたなか、同社は生産能力を増強。
2009年のIPO(新規株式公開)で調達した資金で
ライン数を170本まで増加させましたが、
今年はさらに4億元を投入。
広西の工場の生産ラインを220本まで増やすとともに、
生産能力を40億メートルから42億メートルに拡大。
同時に46本のラインに改良を加え、
さまざまなサイズのケーシングを生産、
顧客のニースに対応する構えです。

中国におけるコラーゲン・ケーシングを使った
ソーセージの製品シェアは8%で、
イギリスの70%などと比較するとまだ非常に低いため、
今後の市場開拓の余地は膨大。
同社の主要顧客の1つである『双匯集団』が
“痩肉精”
(※塩酸クレンブテロール、サルブタモールなどを含む化学薬品で、
交感神経を興奮させる作用があり、エサに混ぜて豚に与えると、
その肉は脂身が少なく、赤身が多くなるとされるが、
人が一度に大量の“痩肉精”を摂取すると、
頭痛、動悸、筋肉の痛み、吐き気などの
急性中毒症状を引き起こすため違法薬剤に指定されている)

を使用していた製品のリコールを実施。
同社への影響が懸念されましたが、
製品の納入は従来通り行われており、
いまのところ収益への影響はないとされます。

生産能力の拡充にともない、
同社の業績は今後も基本的に右肩上がりをキープしそうです。

同銘柄の株価は上場以来、上下動を繰り返しながらも
ほぼ右肩上がりをキープしており、
なかなか買いのタイミングが掴めませんが、
中国の食品関連株の筆頭として、
ぜひともポートフォリオを収めておきたい銘柄ですね。





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2011年8月1日(月)

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当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
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