中国投資の羅針盤・阿部享士

阿部享士さんがご案内します

第100回
心臓・脳血管用の薬物研究開発のトップ『四環医薬』

8月に入り、毎日、うだるような暑さが続いていますが、
相場の方は盛り上がりに欠ける展開。
商いも減少傾向で、
まさに“夏枯れ”といった表現がぴったりですが、
こういうときこそ次の相場に備えて勉強する好機です。

そこで今回からはしばらく、
最近、香港に上場した新規銘柄の中から、
先行き期待の比較的大きいものをピックアップし、
紹介したいと思います。

第1回目は『四環医薬』(00460)に着目してみました。

同社は2001年に設立された中国の医薬品メーカー。
とくに心臓・脳血管用の薬物研究開発を得意としています。
製品は2000の卸売業者を経て、
全国31の省・市・自治区の病院、
約1万カ所に販売されています。

主力製品の「克林澳」「安捷利」「川青」の
脳血管及び血管拡張薬市場におけるシェアは
17.1%にも達しているほか、
マレイン酸シネパジドを含む製品として中国で唯一、
国家医薬局の批准を獲得しています。

販売シェアの拡大にリンクするように、ここ数年の業績は堅調。
2007−09年における売上高と純利益の平均伸び率は
57.3%、34.9%にも達しています。
グローバル医薬情報企業である『IMS Health』の資料によると、
2009年末時点で中国に3900社以上の医薬品メーカーが点在。
トップの20社の合計シェアも24.7%に過ぎず、
経済成長にともなう所得水準の向上、医療制度の改革などにより、
その市場規模は拡大傾向にあります。

また、衛生部の統計などによると、
心筋梗塞や脳卒中など、心臓・脳血管関連の発病件数は
1983年の約3700万例から2008年には1億1400万例に急増。
これにともない心臓・脳血管用薬の市場規模は
2005年の119億元から09年に285億元へ拡大しています。
同社の業績はこうしたデータを
素直に反映したものといえるでしょう。





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2011年8月5日(金)

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当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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