中国投資の羅針盤・阿部享士

阿部享士さんがご案内します

第101回
『四環医薬』の業績を支える5要因

ここ数年の『四環医薬』(00460)の業績は
右肩上がりに推移しています。
2007−09年における同社の売上高と純利益の平均伸び率は
それぞれ57.3%、34.9%。
10年期末決算においても前年比60%の増益を計上していますが、
今後の同社の収益を支える要因として以下のものが挙げられます。

(1)高齢化社会の到来にともなう需要増:
現在、中国において65歳以上の高齢者が
全人口に占める割合はすでに8.3%に達していますが、
中国の関係部門が人口構成比などから割り出した予測によると、
今後、65歳以上の構成比は年2.5%以上のペースで増加するのに対し、
人口全体の増加率はこれを下回る見通しで、
20−25年後に中国の人口の老齢化問題は顕著に。
同時に医薬品や医療機器に対する需要が急増するとされます。

(2)膨大な市場開拓余地:
心臓・脳血管用薬の市場における同社のシェアは
7.4%を占めていますが、その比率はまだ低く、
同社を含むトップ5社の合計シェアも26.6%に過ぎないため、
業界再編やM&Aによる今後の市場開拓余地は大きいとされます。

(3)製品開発能力の高さ:
同社は毎年売上高の10%をR&D(研究・開発)費用として
投入しているほか、333人もの研究者からなる
研究グループを有するため、
その製品開発能力は同業他社に比べて高いレベルにあるとされます。
主力製品の「克林澳」「安捷利」「川青」なども
100%自社開発です。

(4)M&Aの加速:
同社は昨年10月に上場しましたが、
IPOによる調達資金57億5000万香港ドルは
主に同業他社の買収などに充てる予定。
これにより収益にさらに厚みが加わると予想されます。

昨年10月に香港市場に上場した際には、
ジョージ・ソロス氏が4000万米ドルを出資したほか、
一般投資家の申込倍率が400倍を超えたことから、
公募価格は上限の4.60香港ドルに決定しました。
上場後もその株価は堅調に推移し、
昨年11月29日には6.19香港ドルの高値を付けましたが、
最近の軟調相場に押され、
このところ株価が急速に下を向き始めたことは、
日本の投資家にとってチャンスかもしれません。

市場で独自のポジションを築いている優位性や、
今後の業績の伸びシロなどを考慮すると、
同社の潜在能力は非常に高いものがあります。
安値拾いに徹すれば中長期的に大きなリターンが得られそうです。


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2011年8月8日(月)

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