中国投資の羅針盤・阿部享士

阿部享士さんがご案内します

第103回
高いブランド力を有する「Goodbaby」

サブプライムローンに端を発する金融危機の影響で
欧米諸国の需要が減少したことを受け、
『好孩子国際』(01086)の業績は
2008年に一旦、落ち込んだものの、09年からは急回復。
2010年の純利益は前年比140.5%増の
1億5100万香港ドルに達しましたが、
今年の純利益は2億2900万香港ドル前後まで
増加するとの予想もあります。
こうした躍進を支える要素として次のものが挙げられます。

(1)ブランド知名度の高さ:
同社は高価格帯のハイエンド製品の「好孩子」(Goodbaby)と、
低中価格帯の大衆向け製品である
「小龍哈彼」(Happy Dino)の2種類を展開。
451の販売代理店を通じて中国全土で販売されています。

中国の子供用品市場の競争は激しいものの、
『Frost & Sullivan』のユーザー調査によると
同社の 「好孩子」「小龍哈彼」のブランド知名度は
それぞれ64.0%、7.4%で1位、3位にランクイン。
その合計71.4%は2位「小天使」の8.6%を大きく引き離しています。

同社は昨年11月の香港上場による
調達資金の7億8000万香港ドルは
主に製品の研究開発や生産能力の向上、
販売ルート拡充に充てられるため、
さらなるブランド知名度の向上が望めそうです。

(2)製品開発能力の高さを背景とした海外シェアの高さ:
2010年末における同社の地域別収益比率は
中国が22.3%、北米が29.9%、欧州が34.6%となっていますが、
世界最大の育児用品の卸売業者『Dorel』とパートナーシップを結び、
製品の設計からOEM生産。
『Dorel』育児用品は、『Cosco』『Safety 1st』
『Maxi-Cosi』『Quinny』『Babidéal』など、
世界各国の有名ブランドの名前で販売されているため、
同社に安定した収益をもたらしています。

(3)生産能力の拡大:
現在のベビーカー及びチャイルドシートの年間生産能力は
610万台、170万台ですが、
中国市場における需要増を取り込むために、
IPOによる調達資金を用い生産能力を拡充する予定です。
同社の宋CEOは将来的に中国本土での市場占有率を
倍にする意向を持っています。

(4)売上高総利益率の向上:
製品構成の見直しや輸出税の還付、
生産コストの削減などにより、同社の2010年における
売上高総利益率は前年同期の16.51%から20.74%に改善。
今後も生産能力や販売ルートの拡充による
スケールメリットの向上から、一層の改善が期待されています。





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2011年8月15日(月)

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当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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