中国投資の羅針盤・阿部享士

阿部享士さんがご案内します

第105回
中国の「赤ちゃん本舗」ともいえる『博士蛙』

前回まで『好孩子国際』(01086)の紹介をしてきましたが、
同じく児童用品のカテゴリーに属する
『博士蛙』(01698)の先行き見通しはどうでしょうか?

同社は子供服、シューズなどの販売を主要業務としており、
自社ブランド「博士蛙」のほか、
「ハリー・ポッター」や「テニスの王子様」、
「NBA」「Dr.Frog」など、
10種類のライセンス商品を販売するほか、
8つの国際的児童用品メーカーの代理販売も行っており、
その業態は日本の「赤ちゃん本舗」に近いものがあります。

販売拠点は中国本土の約130都市に約900カ所を構えています。
国家統計局のデータによると、
2009年末時点における中国の人口は約13億3480万人で、
0−14歳の児童の人口比率は18.8%に達していますが、
以下の要素から児童用品の市場は今後も拡大。
同社の業績にプラスの影響を与えるとされます。

(1)市場規模の拡大:
米ニューヨークのリサーチ会社
『Frost & Sullivan』のデータによると、
中国の児童用品市場の規模は
2005年の740億元から09年には1367億元へ、年22.3%のペースで拡大。
経済成長にともなう可処分所得の増加や
一人っ子政策の影響などにより、
一家庭当たりの年間消費額も2358.7元(05年)から
4508.6元(09)に増えています。
同社の予測によると、中国の児童用品の市場規模は
13年までに3111億元まで拡大するとされます。

(2)中・高価格製品へのニーズの変化:
価格帯から中国の児童用品は高級、中級、低級の3段階に分けられ、
現在の主流は販売比率で64%を占める低価格製品となっていますが、
1980年代以降に生まれ高等教育を受けた保護者のニーズは
一定の品質をクリアした中・高級製品に移ってきています。
前出の『Frost & Sullivan』の予測によると、
中・高価格製品の市場規模は2010年の461億元から
13年には747億元へ、年平均17.5%の速度で拡大するとされます。

(3)産業集中度の低さ:
中・高級製品における同社の市場社は4.1%で、
『先貝因』の3.9%、『安奈爾』の3.3%を押さえて
トップに付けていますが、
「ハリー・ポッター」や「テニスの王子様」などの
ライセンス販売を行う同社の知名度は
同業他社を大きく上回っています。
また、子供服を例にすれば、
同社を含む上位5社の市場シェアは32.2%に過ぎず、
産業集中度が低いことから、
今後の市場拡大の余地は大きいとされます。





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2011年8月22日(月)

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当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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