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         第106回 
          PER30倍強の株価はさすがに割高 
           
        『博士蛙』(01698)は、 
          全国407店の百貨店内に専門店を置くほか、 
          2、3級都市を中心に「博士蛙365生活舘」などの直営店を展開。 
          2008年に低付加価値の製造業から撤退し、 
          製品の開発や有名ブラントのライセンス販売に特化したことから、 
          その業績は右肩上がりを続けています。 
        2007−09年の売上高は 
          それぞれ2億1177万元、3億2560万元、6億3018万元で、 
          純利益は2329万元、8344万元、1億7289万元を計上。 
          昨年の純利益は前年比107%増の2億5000万元に達しています。 
          同期の売上構成比は子供服とシューズが71.47%、 
          日常用品が28.6%。 
          店舗数の増加や加盟店への卸売価格の低下などを受けて、 
          売上高総利益率は低下傾向にあるようですが、 
          それでも40%以上を維持。 
          今年の純利益は少なくとも4億元を上回る見通しです。 
        同社は昨年9月の香港上場に際し、5億株を発行し、 
          9割を機関投資家、残りを一般投資家に割当てましたが、 
          ブックビルの倍率は105倍に達するなど投資家の人気を反映し、 
          公募価格は上限の4.98香港ドルに決定。 
          調達資金の24億9000万香港ドルは、 
          小売店舗の拡充、M&A及び戦略提携、広告活動、 
          ブランドプロモーション、物流施設の拡大、 
          情報システムのバージョンアップ、 
          銀行ローンの返済などに充てられています。 
        上場後の株価パフォーマンスはIPOの公募価格を大きく上回り、 
          7.76香港ドルまで上昇する場面もありましたが、 
          2011年の予想PER(株価収益率)で30倍以上の水準は 
          さすがに高過ぎたのか、最近は急速に値を落としています。 
        同社のビジネスモデルは独特で、 
          今後の業績成長の余地も大きいとみられるので、 
          軟調相場の煽りを受けた昨今の株安は 
          絶好の投資チャンスかもしれません。 
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