第115回
パンジー・ホー氏が率いる『MGMチャイナ』
中国株投資の心得というような硬い話が続きました。
今回からはふたたび銘柄分析に目を移しましょう。
今回は今年6月に香港市場に上場した
『MGMチャイナ』(02282)に着目してみました。
『MGMチャイナ』(美高梅中国)は
マカオの資産家・スタンレー・ホー氏の娘である
パンジー・ホー氏と米『MGMリゾーツ・インターナショナル』が
折半出資する合弁会社。
『マカオ博彩』(00880)、『永利澳門』(01128)、
『銀河娯楽』(00027)、『金沙中国』(01928)、
『新濠国際』(00200)などと同様に、
マカオのカジノライセンスを持っています。
保有する、2007年12月にオープンした
5つ星ホテル「MGMマカオ」は、
同ホテルは587室の客室を備えるほか、
一般カジノ(テーブル数236台)、VIPルーム(同191台)、
スロットマシーン(1006台)などの娯楽施設も併設されています。
カジノ事業の市場シェアは2010年末時点で11.4%です。
業績は2010年を境にふたたび急成長期に入った模様。
同年のカジノ収入は前年比62.6%増の121億2680万香港ドル。
EBITDA(税引前利益に、特別損益、支払利息、
および減価償却費を加算した値)は
同140.0%増の28億3080万香港ドルとなりました。
一般カジノ、VIPルーム、スロットマシーンからの収入が
前年比ベースで40%以上増加し、34億5960万香港ドル、
4076億1100万香港ドル、9億8600万香港ドルとなったことが
主に寄与しました。
中国政府が2003年に個人旅行を段階的に解禁し始めてから、
中国人観光客のマカオ旅行の人気が沸騰。
本来バクチ好きの中国人が自由にカジノで遊べるようになったため、
大量のチャイナマネーが流入。
経済成長率は一時20%を超え、
GDPの6割をカジノ産業が占めるまでになっています。
2010年のカジノ収入は
過去最高の1883億パカタ(前年比58%増)でした。
同社はこの恩恵をフルに享受したかたちです。
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