中国投資の羅針盤・阿部享士

阿部享士さんがご案内します

第117回
中国5大発電グループの傘下企業

今回は昨年末から今年の6月にかけて
立て続けに上場した風力発電会社
『大唐新能源』(01798)
『華能新能源』(00958)に注目してみましょう。

『大唐新能源』(01798):
大発電集団の1つである『中国大唐集団』傘下の
再生可能エネルギー企業。
同社は内モンゴル、東北3省、華南地域などで
風力、太陽光、バイオマスなど、クリーンエネルギー事業を展開。
先に行われた上海万博にも電力を供給した実績を持っています。
2010年末時点の保有発電機容量は4028メガワット
(権益ベース、以下同)ですが、今後もプラント建設を進め
11年には5500メガワットまで拡大する計画。
昨年の純利益は前年同期比85.3%増の
4億5600万元に達しています。

『華能新能源』(00958):
中国最大級の電力会社『中国華能集団』の
再生可能エネルギー部門を担う同社は
中国19省で風力発電プラントを経営。
昨年末時点での総発電容量は3522メガワットで、
シェア7.9%は第3位にランクされますが、
海上風力発電など、現在、2つのプロジェクトが進んでおり、
今年末までにその発電機容量は5100メガワットまで拡大。
今年の純利益は10億7000万元以上に達すると予想されます。

香港上場は今年の6月10日で、ブックビルディングに先立つ
国際機関投資家向けのプレースメントでは
『中国銀行』(03988)、中国の国有送電会社『国家電網』、
シンガポールの政府系ファンド『SWF』などが株主入りしました。

2003−10年にかけて中国の風力発電の発電設備容量は
平均8%のペースで増加。
10年の総容量は4万4733メガワットとなっていますが、
その普及率全体の発電容量に占める割合は4.6%と、
ドイツやスペインの21%はもちろん、
インドの7.7%などと比べてまだ低いのが現状。
このため中央政府が制定した
『再生可能エネルギーの中長期発展計画』によれば、
国全体の総発電量に対する
再生可能エネルギー(水力を除く)の割合を
2007年の0.7%から20年までに15%へと
大きく引き上げていくとされ、
風力発電の発電機容量も15万メガワットまで拡充される見通しです。


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2011年10月3日(月)

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